カレン・ブルーメンタール著/汐文社/2016年
ヒラリー・クリントンの伝記。本書の刊行は2016年3月でしたが、ヒラリーはこの年の大統領選挙に出馬、予備選挙に勝利して米国史上初めて主要政党の大統領候補となりました。結果として、得票数では上回ったもののドナルド・トランプに敗退。ガラスの天井を打ち破ることはできませんでした。
本書は、子ども時代から2016年大統領選挙出馬までの半生が、著者の綿密な調査と取材により描かれています。非難されることも悪評をたてられることも多く、事実、欠点もあり、失敗もし、間違いも犯したひとではありますが、いっぽうでは国内外から大きな尊敬と期待を集めた政治家。訳しながら共感する部分も多く、胸が熱くなることもありました。
日本語版では割愛することになりましたが、原書巻末には長大な参考文献・資料のリストがあります。本書の内容については事実確認を尽くし、わずかに残った疑問点を著者に問い合わせたところ、記述に間違いないと自信をもってお返事いただきました。カレン・ブルーメンタールさんの丹念で真摯な仕事ぶりにも心から感嘆したしだいです。