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YA・児童書・絵本


クリスマスをとりもどせ!
マット・ヘイグ作/クリス・モルド絵/西村書店/2018年
『クリスマスとよばれた男の子』、『クリスマスを救った女の子』に続くシリーズ最終巻です。
『クリスマスを救った女の子』で、みなしごのアメリアはつらい救貧院の生活から助けだされ、エルフの国にやってきました。お菓子とおもちゃと笑いにあふれた魔法の国で、優しいファーザー・クリスマス夫妻と暮らしはじめますが、そこは思いえがいていたようなパラダイスではありませんでした。ことあるごとに人間とエルフとの違いを思い知り、自分が「よそ者」であることに傷ついたり、自分が無能であるように感じて落ちこんだり。小さな胸に孤独と悩みを抱えたまま、日々が過ぎていきます。
いっぽう、前作で悪事がばれて財産を没収された、エルフの元リーダーで新聞社の元社主、金の亡者のファーザー・ヴォドルは、懲りることなく、またしても何やらたくらんでいるようす……。
シリーズ完結編だけに、作者の熱い熱ーい思いがめいっぱい注ぎこまれた物語です。昨今の排他的な自国ファースト主義や、利益優先のメディアのありよう、そのメディアに簡単に踊らされる市民への批判など、大人の胸にもチクリと刺さります。誠実であること、寛容であること、どんなときにも希望を忘れないこと、あきらめないこと……その大切さを、この物語を通じてあらためて感じてらもえたらと思います。
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