サリー・ニコルズ作/偕成社/2025年
11歳のオリヴィアは5歳のときから児童養護施設や里親、養父母のもとを転々としてきた。今回預けられたのは、古い農場に暮らすジムという里親の家。そこには昔、400人の赤ん坊を殺した女が住んでいたという。オリヴィアはその家に不気味な気配を感じ、やがて怪しい物音やほかの誰にも聞こえない声を聞くようになる……。
一見ホラーかサイコスリラーの様相を呈しながら、物語が進むにつれ、オリヴィアが受けてきた虐待とそれによる心の傷の深さが明らかになっていく。愛されたいと願いながら、強い不安や恐怖心、自己否定のために他人の優しさを信じられず、周囲を傷つけ、自分を孤独の淵へ追いこんでいく少女の苦しみの軌跡。