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「ぼくちい」「ぼくどこ」ができるまで

  • 執筆者の写真: 杉本 詠美
    杉本 詠美
  • 2023年5月18日
  • 読了時間: 2分

「絵本1冊を訳すのにどれくらいかかるんですか?」ときかれることが、よくあります。これは難しい質問です。こちらから「何か月ください」と言ったことはありません。出版が決まり、自分が訳すことに決まって、出版社のたてたスケジュールに沿って初稿を出し、改稿をくりかえし、印刷所への入稿日にまにあうよう、与えられた時間のなかでベストを尽くすだけです。「1週間で」というむちゃな依頼も一度ならずありましたが、絵本の場合、3か月~半年が多いかな、という印象です。


 新刊『ぼくが ちいさかったとき』『ぼく、どこから きたの?』の場合、GOサインが出てから校了まで、2冊同時進行で8カ月ほどでした。持ち込みから刊行が決まるまでは2カ月半で、これはかなり早い印象です。


 持ち込みの段階から思いをこめた試訳はあり、それも何年にもわたるあいだに推敲を繰り返してきたものではありましたが、本格的な訳づくりとなるとまた話はべつ。これが、8か月のあいだに編集者さんとやりとりした何段階もの原稿です。


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 改稿が進んだ段階でもまだ迷う部分はいくつかあり、いくつも代案をしぼりだしては読みくらべ、読みくらべ……。


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 こうしてわたしが訳を練っているあいだに、編集者さんのほうでは本のレイアウトやデザインの作業も進められていて、日本語版を原書のイメージに近づけるよう、いろいろ心をくだいてくださいました。たとえば今回の絵本はページの最初の文字がひとつひとつ違う手描き文字になっています。日本語版の文字もひとつひとつデザイナーさんが考えてくださいました。


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 原書ハードカバーは背が布張りになっているので、日本語版のカバーは布に似た質感の紙を選んでくださっています。帯上部の半円模様の縁取りは、化学同人では初めて使用されたとのことで、とってもかわいいです。図書館本ではわかりづらい部分なので、書店でお見かけになったら、ぜひお手にとって触れてみてください。絵本の優しく愛らしいたたずまいが伝わることと思います。

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