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ウクライナ関連書籍(1)

  • 執筆者の写真: 杉本 詠美
    杉本 詠美
  • 2023年12月9日
  • 読了時間: 5分

 ガザやウクライナの惨状から目をそむけてはいけないとはいえ、日々流れてくるニュースは胸にずしっとこたえます。それが苦しくなりすぎるときは、メディアから離れることも必要だといいます。それでも心を寄せつづけていたいと思うときは、リアルな映像でなく書籍に触れるというのもいいかもしれません。


 パレスチナの問題は不勉強ですが、『いえ あるひ せんそうが はじまった』の翻訳に際して読んだウクライナ関連の書籍の一部をご紹介したいと思います。


 翻訳のお話をいただいたとき、最初に読んだのは、ロシアによる軍事侵攻が始まり、街や人々暮らしが破壊される前のウクライナに関する本でした。


『ウクライナファンブック』(平野高志著/合同会社パブリブ)

 帯に「いったいどういう国なのか? ウクライナ自体を知る。ウクライナ国営通信の日本人編集者兼写真家がその魅力を余すこと無く伝える日本で唯一出版されているガイドブック」とあります。2020年3月初版。2022年6月の初版第5刷で2月のロシアによる侵攻開始以降の治安情報が加えられていますが、それ以前の各都市の姿や文化、歴史、暮らしなどがたくさんの写真とともに紹介されています。判型が小さく、写真が小さいのが残念ですが、たくさんの情報が得られ、見飽きないガイドブックです。


『美しきウクライナ』(ウクライナー著/岡本朋子訳/平野高志監修/日経ナショナルジオグラフィック)

「ウクライナー」は、世界のため、自国ウクライナのため、ウクライナを調査し、記録しようと2016年から歴史的地域をめぐる旅に出発したボランティア団体だとか。美しい自然と人々の暮らし、文化がつめこまれた写真集。ほんとうに美しいです。


『サーシャ、ウクライナの話を聞かせて』(オレクサンドラ・スクヴォルツォヴァ、西田孝広著/雷鳥社)

「サーシャ」は著者のオレクサンドラ・スクヴォルツォヴァさんの愛称。ウクライナの歴史、文化、暮らし、主要な都市や観光地などが短い章(ほとんどが見開きひとつ)で生き生きとした言葉で伝えられます。西田氏によるオールカラーの挿絵がぐっと胸に迫ります。


『ウクライナ美術への招待』(海野弘著/パイインターナショナル)

 ウクライナの歴史、文化史、美術史が親しみやすく語りかける口調で書かれており、美しい建築物や絵画の画像がふんだんに盛り込まれています。それだけを見ていても見飽きません。判型が小さめで、ひとつひとつの画像が小さいのが惜しいですが、それでも目に胸に迫ってくるものがあり、とてもよかったです。


『ウクライナの料理と歴史 』(オレナ・ブライチェンコ 、マルィナ・フルィミッチ、イホル・リリョ、ヴィタリー・レズニチェンコ著/田中裕子訳/小学館)

 これも美しい本です。本格的なウクライナ料理が紹介されています。ウクライナの食文化、ひいてはウクライナ文化を知ることのできるていねいな解説つき。


『キャプション家に伝わる日々のごはん ウクライナの家庭料理』(平野顕子、イーゴ・キャプション著/PARCO出版)

 著者の平野さんは料理研究家。45歳で離婚後アメリカに留学してアメリカンベーキングを学び、帰国後アップルパイとアメリカンベーキングの専門店を開いた方。60代でNYに拠点を移し、そこでイーゴさんと再婚。イーゴさんはウクライナ系アメリカ人で、平野さんがイーゴさんのお母から教わった料理のレシピをまとめたのが本書ということです。親しみやすくトライしやすい料理が並んでいます。説明も親切。


『いえ』を翻訳中にちょうど近くでナターシャ・グジーさんの演奏会があると知り、ウクライナの民族楽器バンドゥーラの響きを聴きにも行ってきました。



 音楽は、文化や民族性を感じるにはとてもいいと思います。会場で、ウクライナ民謡の入ったCDを買いました。民族衣装のヴィシヴァンカも1枚いただきました。


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 販売されていたヴィシヴァンカはすべて侵攻の被害にあったウクライナの方々から買い取ったものだそうです。その方その方、その家その家で大切にたいせつにされていたものを買い取って日本で販売することで売り上げを支援にまわすということでした。わたしが買ったこのブラウスはブチャに住んでいらした女性の持ち物でした。キーウに近いブチャはロシアによる侵攻の開始直後から激しい攻撃を受け、1カ月にわたってロシア軍に占拠された街で、多くの市民が虐殺されたと報じられています。ヴィシヴァンカには、持ち主のオレーナさんからのメッセージが添えられていました。

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 ナターシャさんに要約していただいたところ、日本のひとびとの理解や応援に対する感謝と、住むところや生活に必要なものを何もかも奪われて、現在はポーランドの提供してくれた仮設住宅で暮らしていること、これを乗り越えられるという希望をもって生きている、ということが書かれているということでした。オレーナさんがこれを書かれたときからはもう1年くらいはたっているのではないかと思います。いま、どこでどんな暮らしをされているでしょうか。身近に支えがあって、健康を損なわず、希望を失わずにいてくださることを祈ります。

 コンサート会場でもうひとつ、ナターシャ・グジーさんオリジナルレシピの「なっちゃんポルシチ」も買いました。それで、ウクライナ料理のデルニー(じゃがいものパンケーキ)とクネードリ(鶏団子のサワークリーム煮)にも挑戦してみました。料理はあまり得意でないので、見た目はちょっと……ですが、おいしかったです!


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