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東京空襲80年特別展

  • 執筆者の写真: 杉本 詠美
    杉本 詠美
  • 4月4日
  • 読了時間: 2分

 先日、翻訳仲間6人で、江東区の東京大空襲・戦災資料センターで開催されていた「東京大空襲80年特別展」に行ってきました。


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 新型コロナの流行でおはなし会の機会がなくなったのを機に、翻訳仲間でオンラインで詩を読みあう会を続けているのですが、そのなかで戦争にまつわる詩をいくつか読んだ際、広島・長崎の原爆や沖縄戦はもとより、日本の各地で空襲の被害があり、その土地土地に戦争の記憶があるはずだけれど、それがちゃんと若い人たちに継承されているのだろうか、平和教育にしっかり生かされているだろうか、という話題が出ました。子どもの本の翻訳者として、戦争と平和というテーマには目を向けつづけていなければならないし、子どもたちに伝えるということをたいせつにしなければならない。そんなところから、今回の特別展にみんなで行こうという話になりました。

 最寄りの駅から20分近く歩かねばならず、けっして便利な場所ではありませんし、貴重な資料が収められた施設として恵まれた状態にあるという感じでもありません。けれど、ほんとうに行ってよかったと思います。PCやテレビの画面でなく、肉筆の手記や写真その他の資料を目の前にしてこそずしっと伝わるものがあります。そのとき何が起こっていたのか、そのわずかな一端、ほんの一瞬の情景にせよ、ありありと感じ、戦慄しました。

 そして、この空襲から80年がたったいまも、世界のあちこちで、人が人の上に爆弾を落とし、人と人がただ相手を殺すために銃弾を撃ちあい、街を焼き、破壊するということを続けていることに、あらためて憤りを感じました。

 わたしは戦後生まれです。日本ではもう戦争は起こらないし、世界もきっと平和へ向けて進んでいくはずだとあたりまえのように思いながら育ってきました。それが、いつからでしょうか、この日本でも平和が脅かされている、ふたたび戦争に向かったり巻きこまれたりする日が、遠くない将来に実際に来るかもしれない、という不安が胸に棲みついたのは。どうか、「平和ボケ」だなどと言わないで、殺さない、傷つけない、破壊しない、奪わない、思いやり、助けあい、支えあう世界に向けて、知恵をしぼり、みんなとは言わずとも大多数のひとびとが、手をとりあえますように。


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