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ウクライナ関連書籍(2)

  • 執筆者の写真: 杉本 詠美
    杉本 詠美
  • 2023年12月28日
  • 読了時間: 2分

『いえ あるひ せんそうが はじまった』の翻訳に際して読んだウクライナ関連の書籍のご紹介の続きです。今回は、ロシアによる侵攻が始まって、現地で何が起こっていたのか、避難民となった方、支援をした方、個人による記録をいくつか、ご紹介します。


『ウクライナから来た少女 ズラータ、16歳の日記』(ズラータ・イヴァシコワ著/世界文化社)

 ズラータさんは、ドニプロ出身。13歳で日本語に出会い、独学で勉強し、「いつか日本に行きたい」と夢見る美術専門学校生でした。それが、この戦争で思いがけず日本に避難することになります。母とも、愛犬とも別れ、自分が日本で生活拠点を作ることがなによりと考え、単身、ポーランドから日本に渡る。それはなみたいていのことではありません。その体験や思いが、本人の言葉(日本語)、本人の絵で語られているので、格別の説得力があります。


『戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々』(オリガ・グレベンニク 著/奈倉有里監修/渡辺麻土香・チョン・ソウン訳/河出書房新社)

 絵本作家であり、イラストレーターであり、アーティストであり、9歳の息子と4歳の娘の母である著者の、鉛筆画による日記。オリガさんはロシア語を母語とする方で、この本はロシア語で書かれています。地名も「ロシア語(ウクライナ語)」の形で併記されています。今回のロシアのよる侵攻をきっかけにロシア語を使うのをやめよう、ウクライナ語を話そうとする方も多いといいますが、オリガさんは立場を異にしています。その姿勢は、こんな言葉に表れています。

「戦争に勝者はいない。そこにあるのは血、破壊、そしてわたしたちひとりひとりの心の中に出来た大きな穴だけだ。(中略)わたしは民族で人を分けない。人を定義するのは、民族ではなく行動だからだ」


『ウクライナの現場から』(佐藤和孝著/有隣堂)

 2022年3月4日ウクライナに入り、4月9日にポーランドに戻るまで、リビウ、キーウ、イルピン、ブチャを取材したジャーナリストがそこで見たものと、これまで40年余の戦争・紛争地域の取材から知ったこと、思うこと、考えること、伝えたいことをつづったレポートです。


 ポーランドで日本語学校を経営していた著者が、当初はまったくのひとりの個人として、しだいに日本とポーランド、ウクライナをつなぐ役割を担って、ポーランドへの避難民、ウクライナ国内の避難民の支援に全力を尽くす現場の記録。ウクライナから国外に避難する人々、国内にとどまる人、それを支援する人の顔が見えます。


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