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『スラムに水は流れない』

  • 執筆者の写真: 杉本 詠美
    杉本 詠美
  • 2024年4月26日
  • 読了時間: 2分

 原文との突き合わせのお手伝いをさせていただいた本が、刊行になりました。



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 物語の舞台は、インドのムンバイ。主人公はスラムに暮らす12歳の少女、ミンニです。

 物語の冒頭、ミンニは3つ違いの仲良しの兄サンジャイと、丘の上からアラビア海をながめています。

「ここから見ると、世界はまるで水でできてるみたいね」

 ミンニはそうつぶやきますが、ミンニの知る人々はみんな、水に苦労しています。家に水道はなく、共同水栓に水が供給されるのは1日に2回だけ、それもちゃんと出るとはかぎらりません。朝夕長い列にならび、バケツに水をくむけれど、その水も、飲み水にするにはしっかりと煮沸しなければならないのです。

 貧しく、たいへんなことは多いものの、温かい家族、明るい親友、思いやりのある担任の先生、ささえあい助けあう近所のひとびと、だいじなことを教えてくれるストーリーテラーといったひとたちに囲まれ、しっかり勉強していい仕事につきたいという夢をもっているミンニの毎日は、それなりに幸せなものでした。

 ところが、ささやかな日常を一変させる事件が起こります。家族ばらばらになってしまうの? 夢もあきらめないといけない? 兄から「泣き虫ミンニ」とからかわれていた少女が、格差や差別、不正に突きあたりながら、どんなふうに前へ進んでいくのか。ぜひ、読んでいただければと思います。


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